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2024年問題で工務店がやるべき業務効率化3選

メインキーワード: 2024年問題 工務店 対策 想定読者: 残業規制への対応を模索している小規模工務店の社長 文字数目標: 1,500〜2,500字


2024年4月、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されました。

猶予期間が終わり、原則として月45時間・年360時間を超える残業ができなくなっています。大手ゼネコンは何年も前から準備を進めてきましたが、小規模工務店はまだ対応が追いついていないというのが現実ではないでしょうか。

「現場の仕事は減らせない。でも残業はできない。」

この矛盾を解決するには、現場以外の業務を徹底的に効率化するしかありません。この記事では、従業員10名以下の工務店が今すぐ取り組める業務効率化を3つに絞って紹介します。


そもそも2024年問題とは?(30秒でおさらい)

働き方改革関連法により、建設業にも2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されました。

項目 内容
上限 月45時間・年360時間(原則)
特別条項 年720時間以内(臨時的な特別の事情がある場合のみ)
罰則 6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金

「うちは小さいから関係ない」と思われがちですが、従業員を1人でも雇用していれば対象です。一人親方でも、今後の事業拡大を考えるなら対策しておく価値があります。


効率化①:見積・書類作成のデジタル化

削減効果:月10〜20時間

小規模工務店の社長が最も時間を使っている「現場以外の業務」は、見積作成と各種書類の作成です。

国土交通省の調査では、工務店の社長が事務作業に費やす時間は週平均12時間。そのうち見積作成が最も大きな割合を占めています。

すぐにできること

  • 見積テンプレートの整備。工事種別ごとに品目・単価をプリセットしたExcelテンプレートを用意する
  • 過去見積の一覧化。台帳を作って「案件名で検索」できる状態にする
  • AI 見積ツールの導入検討。最近は月額1万円以下で使えるサービスも登場(例:ミツモリAI など)

見積1件あたり4〜8時間かかっていた作業が1時間以内に短縮できれば、月に丸2日分の時間が生まれます。その時間を現場に充てれば、残業を増やさずに受注件数を維持できます。


効率化②:工程管理のクラウド化

削減効果:月5〜10時間

「今日の現場はどこだっけ?」「あの材料、発注したっけ?」

ホワイトボードや紙の工程表で管理していると、確認のための電話やLINEが頻発します。クラウド型の工程管理ツールを導入すれば、スマホから現場の進捗を確認でき、移動中でも段取りが組めます。

小規模工務店で使いやすいツール

ツール 月額 特徴
ANDPAD ¥3,000〜/ユーザー 建設特化。写真管理も一体化
Kintone ¥1,500〜/ユーザー カスタマイズ性が高い。建設テンプレートあり
Google カレンダー + Google Drive 無料 まずはこれだけでも効果あり

ポイントは**「全員が見られる場所に情報を置く」**こと。ツールの種類より、「電話で確認する回数を減らす」ことが目的です。

高価なツールを入れなくても、Google カレンダーに工程を入れて全員で共有するだけで、確認の電話が半分に減ったという工務店もあります。


効率化③:写真管理・報告書の自動化

削減効果:月5〜15時間

工事写真の整理と報告書の作成は、意外と時間を食う業務です。現場で撮った写真をパソコンに取り込み、フォルダに分類し、報告書に貼り付ける……。この作業に毎日30分かけている職人は少なくありません。

すぐにできること

  • 写真管理アプリの導入。現場で撮影すると自動で分類・台帳化されるアプリを使う
  • 音声メモの活用。現場でスマホに「3階東側壁、下地処理完了」と話すだけで記録を残す
  • テンプレート化。報告書のフォーマットを固定し、写真を差し込むだけの状態にする
ツール 月額 特徴
蔵衛門 ¥3,000〜 工事写真管理の定番。電子黒板対応
Photoruction ¥4,000〜 写真+図面+工程を一元管理
SiteBox 要問合せ 国交省の電子納品に対応

特に写真管理は、始めた瞬間から効果が出る効率化です。「帰社後に1時間かけて写真を整理する」という作業がなくなるだけで、残業時間が目に見えて減ります。


3つの効率化の優先順位

優先度 施策 削減時間/月 導入の難しさ 初期コスト
★★★ 見積・書類のデジタル化 10〜20時間 低い ¥0〜¥10,000
★★☆ 工程管理のクラウド化 5〜10時間 中程度 ¥0〜¥5,000
★★☆ 写真管理の自動化 5〜15時間 低い ¥3,000〜

まずは見積・書類のデジタル化から始めることをおすすめします。理由は3つ:

  1. 削減効果が最も大きい。社長の時間を直接的に解放できる
  2. 導入が簡単。Excelのテンプレート整備ならコストゼロで始められる
  3. すぐに効果を実感できる。次の見積から即適用できる

まとめ:2024年問題の本質は「時間の使い方」

2024年問題は「残業を減らせ」という規制ですが、その本質は**「同じ売上を、より短い時間で実現する」**ことです。

現場の品質を落とすわけにはいかない。人を増やす余裕もない。となれば、現場以外の業務を徹底的に効率化するのが唯一の解です。

見積作成、工程管理、写真管理——この3つだけで月20〜45時間の削減が見込めます。月に2〜5日分の残業に相当する時間です。

大がかりなシステム導入は必要ありません。まずは一番時間がかかっている業務から、小さく始めてみてください。